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2005年度事業計画

アートと学校・地域のパートナーシップを考える【報告会Vol.1】

日時:平成17年9月8日(木)18:30〜20:30
会場:福岡市NPO・ボランティア交流センター「あすみん」
(福岡市中央区大名2-6-46 福岡市立青年センター5F)
  • 開会挨拶&趣旨説明
  • 参加団体自己紹介
  • 事例報告
    • 社団法人日本芸能実演家団体協議会の活動について(大福 悟、宮本 智子)
      ※資料は下記のとおり(一部割愛しています)
    • その他の団体について(古賀 弥生)
      ・NPO法人芸術家と子どもたち
      ・STスポット横浜
  • 質疑&みなさんの感想など

(社)日本芸能実演家団体協議会〔芸団協〕ヒヤリング & 芸団協セミナー報告

『芸能と教育プロジェクト2005』−表現を子どもたちに− …2000年から実施している
芸団協→俳優、音楽家、舞踊家、演芸家、演出家、舞台監督などの日本の芸能実演家団体(67団体、約70,000人)で構成されている公益法人。「芸能が豊かな社会をつくる」を組織理念とし、芸能が地域の中で豊かに花開き、芸能によって、人々が潤う社会の実現を願って活動している。

「芸能と教育」プロジェクト

プロの芸能実演家たちが現場の先生方と協働しながら、芸能を通じてより効果的な学校での授業実践を進めることによって、子どもたちの成長をサポートしていくことを目的に、様々な事業を展開している。その一環として、小学校での実演家による「表現教育」の授業や、中学校での和楽器モデル授業などを実践している。

◆芸団協としての目的は
     ↓
芸能実演家の表現教育指導者養成
そのための実践の場として、学校での授業を行う。

<学校での授業実施の現状や課題>
・2004年度は5校で実施 1つの学年の全クラスを2回ずつ
・実施校の交渉を、スクールコーディネーター(教育委員会の下にある。東京都のみ?) に協力依頼
・受講生のグループ分けは、芸団協が行う。人間関係の相談が多い
・あくまでも講座の一環なので、実演家に謝金もなし、交通費もすべて自己負担
・初級講座を修了しても、仕事として保障されているわけではない。実演家の努 力のみ

芸団協として、表現教育を授業として保障するような制度づくりの方向性は、現在はない

<Q コーディネーターに必要な資質・経験などの質問に対して> 
・人間関係を繋ぐ人
・みきわめる力。細かさと大らかさ。
・単なる連絡係ではない。講師を評価したり、講師にプレゼンテーションの力を付けさせること必要。
・企画力、提案力、押しの強さ
・共感する感性。芸術の価値を伝える力。

芸団協セミナー 表現教育指導者養成講座<基礎編>

 概論1 「実演家の役割−教育現場で何が求められているのか?」
 講師:藤川大祐さん(千葉大学教育学部助教授)

<当日レジメより>

  • 「表現教育指導者」に求めたいこと
    ・個性がにじみ出る場をつくること違いをおもしろがる
    ・表現手段や表現を受け取る手段のレパートリーを増やしてやること
    ・チームで葛藤しながら表現する体験をさせること
    ・子どもたちの表現を本気で受け止めること
    ・子どもたちの活動を「面白い!」と言ってあげられる鑑識眼を持つこと。良い悪いの評価ではない
    ・生き方のレパートリーを広げてやること
  • 学校とつきあうために
    ・学校(高校以下)の授業は、学習指導要領に拘束されている。総合的な学習の時間も制約がある。
    ・「どんな力をつけさせるのか?」が問われることが多い。
    ・「表現」や「芸術」にあこがれる教師は多いが、具体的な要望がない場合もある。
    ・逆に、授業の計画が細部まで決まっており、きわめて限定的な要望が出される場合もある。
    ・教師とゲスト(あるいはコーディネーター)がじっくり話し合うしかない。
    ・責任は基本的に校長にある。校長に話が通っていないと思わぬトラブルに。
    ・教育委員会や保護者、全校の教職員などへの事前説明は重要。
    ・自由に使える予算はほとんどない場合が多い。
    ・「教育課程上、何の時間か?」が必ず問われる。
    ・特定のクラスだけ特別扱いは難しい。
    ・使える部屋などは限られているので、事前に見ておく必要あり。設備・備品もチェック
    ・教師は基本的に熱心で人がいいが、保守的な傾向がある。
    ・ビジネス界の常識は通じないことが多い(メールがない、名刺がない、待たされる…)
    ・安全確保は最重要。
    ・特別な配慮が必要な子どもが平均6%程度。
    ・小学校高学年から中学年くらいの時期は、平均して自己肯定感が低い。
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